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キッチンカーの確定申告の進め方|経費や勘定科目の考え方を解説
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キッチンカーの確定申告の進め方|経費や勘定科目の考え方を解説

キッチンカーの確定申告、何から始めればいいか不安な方へ。申告が必要になる所得の目安から帳簿づけ、経費の勘定科目、必要書類、期限までを順番に解説します。

キッチンカーの営業に追われるなか、確定申告の準備まで手が回らず不安を感じていませんか。押さえておきたいのは、申告が必要になる所得の目安、帳簿づけ、食材や車両の勘定科目、提出書類、つまずきやすい期限や按分の5点です。早めに全体像をつかんでおくほど、申告時期の負担は軽くなります。

キッチンカーの確定申告とは?基本と全体の流れ

ここでは、確定申告の役割と、申告が必要になる所得の目安、開業時に済ませておく手続きを確認します。

確定申告が必要になる人とその役割

キッチンカーで得た利益を自分で計算し、所得税を申告・納税する手続きが確定申告です。多くのキッチンカー事業者さんは、個人事業主やフリーランスにあたります。会社員のように給与から所得税が天引き(源泉徴収)される仕組みがないため、1年分の所得をまとめて自分で申告する必要があります。

確定申告は、1月1日から12月31日までの売上から経費を引いた所得をもとに税額を確定させるものです。記録から計算、提出までを自分で担うことになります。

自分が申告義務者だと早めに意識しておくことが、確定申告の負担を抑える第一歩になります。

確定申告が必要になる目安と開業時の手続き

確定申告が必要かどうかは、1年間の所得金額をもとに判断します。令和7年分から基礎控除が見直され、合計所得金額に応じて控除額が異なります※1

合計所得金額

基礎控除額

132万円以下

95万円

132万円超〜336万円以下

88万円

336万円超〜489万円以下

68万円

489万円超〜655万円以下

63万円

655万円超〜2,350万円以下

58万円

表のうち88万円・68万円・63万円の区分は令和7年分・8年分限定の上乗せで、令和9年分以後は58万円に戻ります。事業所得から基礎控除などを差し引いて課税所得が残る場合は、確定申告が必要です。また、会社員が副業でキッチンカーを運営する場合は、給与以外の所得が20万円を超えると申告が必要になる点にも注意しましょう※2

開業時には、事業開始を届け出る「開業届」と、青色申告の特典を受けるための「青色申告承認申請書」を提出します。提出期限は、開業届が開業した年分の確定申告期限まで、青色申告承認申請書が原則2か月以内です※3

青色申告を利用する場合は、開業時に必要な手続きを早めに済ませておきましょう。

  • ※1控除額は国税庁「令和7年度税制改正による基礎控除の見直し」による。合計所得金額が2,350万円を超える場合は控除額が段階的に減ります(参考:国税庁 基礎控除の見直し
  • ※2給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合(参考:国税庁 タックスアンサー No.1900
  • ※3開業届の提出期限は所得税法の改正により、2026年1月1日以後の開業から「開業した年分の確定申告期限まで」になりました。2025年12月31日までの開業は事業開始から1か月以内です(参考:国税庁 タックスアンサー No.2090

確定申告に向けてキッチンカー事業者が準備すること

申告の作業量を左右するのは、日々の記録の習慣と、帳簿づけ・申告方法の選び方です。

キッチンカーの売上と経費を記録する習慣づくり

確定申告をスムーズに終えられるかは、日々の記録の積み重ねで決まります。キッチンカーは現金売上やイベント出店など取引の場面が多く、その日のうちに売上と経費を書き留める習慣が申告の精度を左右します。

領収書は一定期間の保存が求められるため、1か所にまとめておくと安心です。出店準備や仕込みの合間でも、こまめに記録や領収書を整理しておくと、申告前にまとめて作業する負担を避けられます。日々の記録を習慣化しておくことが、確定申告の準備を着実に進める土台になります。

帳簿づけの方法と申告方法の選び方

帳簿づけは、手書き・表計算ソフト・会計ソフトから、取引量や申告方法に合うものを選びます。取引が少なければ手書きや表計算ソフトでも対応できますが、青色申告で複式簿記を行う場合は会計ソフトを使うと効率的です。

青色申告と白色申告の主な違いは次のとおりです。

比較軸

青色申告

白色申告

特別控除

最大65万円

なし

帳簿

複式簿記が原則

簡易な記帳

事前申請

承認申請が必要

不要

青色申告は記帳の手間が増える一方、一定の要件を満たせば最大65万円の特別控除を受けられます※4。手軽さを重視するなら白色申告、節税を重視するなら青色申告を検討するとよいでしょう。

キッチンカーの経費と勘定科目の考え方

食材、出店料、車両といったキッチンカーならではの支出を、どの勘定科目に振り分けるかを整理します。

キッチンカーの食材は仕入と消耗品のどちらで計上するか

キッチンカーの食材費は、販売する商品の材料かどうかで科目が分かれます。結論として、料理として売るための食材は仕入高や材料費、営業のたびに買い足す容器などの備品は消耗品費として区別するのが基本です。

たとえばハンバーガーのパンやパティ、ドリンクのシロップなど、そのまま商品になる食材は仕入高にあたります。一方、テイクアウト用の容器やカトラリー、ラップなど提供に使ってなくなる備品は消耗品費で処理します。

科目を分けておくと、原価率の把握や年ごとの比較がしやすくなります。

出店料や許可費用、ガソリン代の勘定科目

キッチンカーの経費は、支出の内容に合った勘定科目に振り分けます。よく登場する経費と勘定科目を押さえておくと、記帳で迷いにくくなります。

経費

勘定科目

出店料

販売手数料/支払手数料/地代家賃

営業許可の費用

租税公課/支払手数料

ガソリン代

車両費/旅費交通費

容器やカトラリー

消耗品費

出店料は、売上に応じた歩合制なら販売手数料、イベントなどの単発・定額なら支払手数料、決まった場所を毎月固定額で借りるなら地代家賃とするのが一般的です。

どの科目でも所得税の計算結果は変わりません。ただ、一度決めた分け方は年間を通してそろえておくと集計しやすくなります。科目名は会計ソフトの選択肢に合わせて構いません。

キッチンカーの車両や設備を減価償却で計上する方法

高額なキッチンカーの車両や調理設備は、購入した年に全額を経費にするのではなく、減価償却で複数年に分けて計上します。使用できる期間にわたって少しずつ費用にする考え方です。

減価償却では、資産ごとに定められた耐用年数と、毎年同じ額を計上する定額法などの方法を使います。車両であれば法定耐用年数に沿って計算し、取得価額を年数で按分して各年の経費とします。

一定金額未満の資産は一括で計上できる特例もあるため、購入額によって扱いが変わります。

確定申告に必要な書類と情報

申告書を作る前にそろえる書類と資料、そして作成から提出までの手順をまとめます。

確定申告で提出する書類の種類

確定申告では、申告方法に応じて提出する書類が決まります。共通して必要なものと、青色か白色かで変わるものを分けて把握しておきましょう。

  • 確定申告書
  • 青色申告決算書(青色申告の場合)
  • 収支内訳書(白色申告の場合)
  • 各種控除に関する証明書

確定申告書はすべての人が提出し、青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書を添えます。生命保険料控除などを受ける場合は関連する証明書も必要です。

申告前に、どの書類がそろっているかを確認しておくと安心です。

準備しておく領収書と帳簿、口座の情報

申告書を作る前に、計算の根拠になる資料を手元にそろえておきます。

具体的には、経費の領収書やレシート、1年分の帳簿、日々の売上記録、事業で使う銀行口座の入出金明細などです。口座を事業用と私用で分けておくと、事業の取引だけを追いやすくなります。

これらの資料は数字を裏づける証拠にもなります。

資料は確定申告の直前にまとめて集めようとせず、月ごとに整理しておくと確認作業がぐっと軽くなります。

確定申告書を作成して提出するまでの進め方

確定申告書の作成は、手順に沿って進めればはじめてでも形にできます。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使うと、画面の案内に従って入力するだけで書類が整います。

  1. 1年分の売上と経費を集計して所得を計算する
  2. 確定申告書等作成コーナーにアクセスして申告書を作成する
  3. 控除の情報を入力して税額を確認する
  4. e-Tax・郵送・窓口のいずれかで提出する

作成コーナーは計算を自動で行うため、電卓での手計算より間違いが起きにくい仕組みです。

e-Taxでの提出は、青色申告特別控除の要件も満たしやすい方法です。

はじめてのキッチンカーの確定申告で確認したいポイント

期限、家事按分、消費税の3つは、はじめての申告でつまずきやすいところです。

確定申告の期限と提出方法を早めに把握する

確定申告には期限があり、原則として翌年の3月15日までに申告と納税を済ませます※5。期限を過ぎると加算税や延滞税がかかる場合があるため、日程は早めに押さえておきましょう。

提出方法は、e-Tax・郵送・税務署の窓口の3つから選べます。e-Taxは自宅から送信でき、混み合う時期に窓口へ出向く手間を減らせるため、営業と両立しやすい方法です。

確定申告の時期は2月中旬から3月中旬に集中し、税務署や相談会場が混雑しがちです。

提出方法を先に決めておくと、繁忙期でも落ち着いて対応できます。

事業用と私用の支出を区別する

事業と私用の両方で使う支出は、事業で使った割合だけを経費にします。この考え方を家事按分と呼び、按分の根拠を説明できるようにしておきます。

  • 携帯電話やインターネットの通信費
  • 車のガソリン代や維持費
  • 自宅の一部を作業場にする場合の光熱費

たとえば車を週5日の出店と週末の私用で使うなら、走行の実態に応じて事業分の割合を決めます。

按分の比率は、合理的な基準で計算して根拠を残すことが求められます。

消費税と軽減税率の扱いに注意する

キッチンカーの飲食物は、提供の仕方によって消費税率が変わります。テイクアウトや弁当のように店内で飲食しない販売は軽減税率の8%、イートインスペースでの飲食は10%が原則です※6

キッチンカーはテイクアウトが中心のため多くは8%ですが、併設の座席で食べる場合など10%になるケースもあります。テーブルや椅子を用意して提供するかどうかが、税率を分ける目安になります。

開業して間もない時期でも、記録の段階で税率を分けておく習慣をつけておくとよいでしょう。

まとめ:キッチンカーの確定申告は早めの準備で乗り切ろう

キッチンカーの確定申告は、日々の記録と早めの準備で負担を大きく減らせます。まずは自分が申告の対象になるかを所得の目安で確認し、開業届や青色申告承認申請書など事前の手続きを整えておきましょう。

申告期限は原則翌年3月15日です。期限や提出方法、家事按分、消費税の扱いを早めに把握し、余裕を持って準備を進めていきましょう。経理や経営の情報を継続的に集めながら、無理なく続けられる運用を目指してみてください。

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