キッチンカーを経営していて、こんなお悩みはありませんか。「売上はあるのに、なぜか手元にあまりお金が残らない…」「来月の売上見通しを聞かれると、実はちょっと不安になる」
それは、せっかく記録した売上を、「次の行動のためのヒント(=分析)」として使えていないだけかもしれません。
この記事では、「数字の分析なんてピンとこない」という方にもわかりやすく、売上分析をするメリットと手軽に始める方法を解説します。
売上の合計だけを見ていても、原因にはたどり着けない
毎回のレジ締め金額を記録しておけば、「今日は昨日より3,000円売上が少なかった」「今週は先週より5,000円多く売れた」などの変化を知ることはできます。ただ、売上合計金額が教えてくれるのは、「変化があった」という事実だけです。
客数が少なかったのか、1人あたりの購入額が下がったのか。人通りの少ない場所だったのか、天気が崩れたからなのか。
売上が変化する要因は様々ですが、売上合計金額を記録するだけでは、この「変化の理由」を確かめることができません。
変化の理由が分かると、「次はこうしてみよう」と行動を変えるきっかけになります。売上が伸びた理由、落ちた理由に注目して改善を繰り返していくことで、経営の無駄を省いて、ちゃんと手元に残るお金、つまり利益を上げていくことができます。
キッチンカーの売上分析、第一歩は客数と客単価に分けること
分析のための記録の第一歩として、売上合計金額に加えて把握しておきたいのが、「客数」です。
商品が何個売れたかも大切ですが、何人のお客様が来てくれたのかも注目すべき数字です。なぜなら、1日の売上は「客数 × 客単価」であるからです。客単価とは、お客様1人あたりの購入額のことで、商品1つの値段を指す「単価」とは別の数字として考えます。
たとえば、「今日は昨日より3,000円売上が少なかった」という変化があった場合、原因が「客数」なのか「客単価」なのかで、対策すべきことは変わります。客単価がおよそ1,000円で、いつもは30人ほど来てくれる場所を例にすると、次のように示すことができます。
客数が落ちている場合 | 客単価が落ちている場合 | |
|---|---|---|
昨日 | 客数 30人 × 客単価 1,000円=売上 30,000円 | 客数 30人 × 客単価 1,000円=売上 30,000円 |
今日 | 客数 27人 × 客単価 1,000円=売上 27,000円 | 客数 30人 × 客単価 900円=売上 27,000円 |
対策方法の例 | 出店場所・出店時間帯を見直す/宣伝・呼び込みを見直す | 商品の組み合わせや追加トッピングを見直す |
売上はどちらも27,000円で、昨日との差も同じ3,000円です。それでも原因が違うため、打つべき対策は変わります。売上合計金額だけを見ていると、この違いに気づけません。
ちなみに、1日の売上から月商の見通しを立てる考え方は、別の記事で扱っています。
出店場所と天気 — キッチンカーだから必要になる記録
キッチンカーの売上は、出店場所や天気などの要因によっても変化します。
平日はオフィス街中心、週末は公園やイベントに。このように条件が異なる日の売上を並べても、「変化の理由」は読み取りきれません。
だからこそ、「いくら売れたか」だけでなく「出店日ごとの条件」をセットで残しておく必要があります。記録しておきたいのは、前述の売上合計と客数も含めて、次の5項目です。
記録項目 | 何のために残すか |
|---|---|
売上合計 | 売上の変化に気づく |
客数 | 客数と客単価のどちらが変化の原因かを確かめる |
出店場所 | 場所ごとの傾向を把握する |
天気 | 天気による振れ幅を知る |
商品ごとの販売数 | 人気商品・売れ方の変化に気づく |
天気は晴れ/曇り/雨の3択で
天気は、気温など細かいところまでチェックする必要はありません。晴れ/曇り/雨の3択で記録しておくだけでも、分析には十分です。
雨の日に売上が落ちることは、記録しなくても体感で分かります。記録がないと見えてこないのは、「この場所は、どのくらい雨に弱いか」など、別の条件との組み合わせです。
たとえば同じオフィス街でも、立地や周辺環境によって天気の影響を受けやすい場所と、そうでもない場所があります。このような傾向を把握していれば、雨予報の日も、その場所に合った仕込み量で出店に臨めます。
傾向は、同じ場所で雨の日の売上データが複数回たまってはじめて見えてきます。
商品ごとの販売数から消費者ニーズを把握
商品が複数ある場合は、人気商品を把握しておくことはもちろん、どの場所でどの商品が人気なのか、場所ごとの傾向もつかんでおくと役に立ちます。商品数が多くて把握が難しい場合は、まずは主力の1〜2品を記録することから始めましょう。
主力商品の売れ方が変わったタイミングは、メニューや価格を見直すきっかけになります。
どの商品が何個売れたかを把握するためには、レジを使って記録するのが、最もシンプルな方法です。会計のオペレーションに伴ってデータが集計され、後から振り返ることができるからです。
たまった記録を、どう分析する?
先ほどの5項目がたまってきたら、いくつかを組み合わせて眺めてみます。まずは「自分が気になること」を明らかにすることから分析を始めてみましょう。
見る数字 | わかること ⇒ 判断できること |
|---|---|
客単価(売上 ÷ 客数) | 売上変動の原因が客数か客単価か ⇒ 客数なら出店場所と時間帯、客単価なら商品の組み合わせの見直し |
出店場所ごとの平均売上 | どの出店場所が自分に合っているか ⇒ 出店場所ごとの仕込み量の調整や、出店を続けるかの検討 |
出店場所ごとの天気別平均売上 | その場所が雨にどのくらい弱いか ⇒ 天気を踏まえた仕込み量の調整や、出店を続けるかの検討 |
出店場所ごとの商品の販売数 | その場所では何が売れるか ⇒ 場所に合わせた販売商品の検討 |
商品ごとの販売数の推移 | 主力商品の売れ方 ⇒ メニューや価格の見直し |
まず取りかかりやすいのは、いちばん上の客単価です。前の日や、先週の同じ場所と並べるだけで見えてきます。
残りの4つは、同じ場所の記録が数回分たまってからで構いません。1〜2か月ほど続けると、「この場所は客単価が高い」「この場所は雨に弱い」といった、傾向が見えてきます。
もちろん売上が変化する要因は、言及したものがすべてではないので、「これらを記録したら、原因が完璧に特定できる」というわけではありません。それでも、記録と分析によって手がかりがひとつ増えるたびに、「次の行動のためのヒント」が蓄積されます。
なんとなく手探りではなく、「これが原因かも」と仮説をもって改善を試せるだけでも、キッチンカー経営における漠然とした不安を徐々に解消することができるでしょう。
集計と分析をレジアプリに任せるという選択肢
紙のメモや表計算ソフトでも記録はできますが、出店場所や天気などの条件、商品別の集計まで残そうとすると、出店中の手作業では限界があります。
レジアプリなら、注文から会計までの流れがそのまま記録として残り、その記録を売上分析に使えます。
中でもキッチンカー・移動販売の事業者さん向けに作られたレジアプリ「Shuppa(シュッパ)」なら、スマートフォン1台でレジから売上分析まで完結します。さらに、キッチンカーならではの出店場所や天気を考慮した売上分析が可能です。
レジで会計を済ませるだけで、分析に必要なデータがそろう
Shuppaはレジ機能を備えているので、レジで会計したデータから売上・客単価・商品ごとの販売数を自動で算出することができます。営業中に客数をカウントしたり、営業後に改めて客数を数え直して記録したりする必要はありません。
分析画面では、出店場所ごと・天気ごとの実績も比較できます。さらに、出店予定の画面には、過去の実績をもとにした売上予測と売れ筋商品が表示されます。どの数字を組み合わせるか、どう計算するかを考えなくても、アプリを利用する中で分析に触れられます。
商品の原価を登録して、粗利まで見える
Shuppaでは、商品ごとの原価率(または仕入れ値)も登録できます。商品を登録するとき、売価とあわせてこのひと手間を加えることで、売上と粗利(売上から原材料費を引いた利益)の両方を確認できます。
よく売れている商品が、いちばん利益を残しているとは限りません。利益率の高い商品を把握することで、お客様に積極的におすすめするなど、効率的な利益アップを目指せます。
目標を意識しながら分析結果を見る
月ごとの売上目標を定めて、目標までの進捗状況も確認できます。月の途中でも「残りの出店回数」と「売上目標の達成まであといくら売ればよいか」が分かります。次の出店に向けたモチベーションアップにもつながります。
記録と分析をまとめて管理したい場合は、Shuppaのようなレジ・分析アプリの導入も選択肢のひとつです。
Shuppa(シュッパ)Shuppaはキッチンカー・移動販売事業者さんのためのアプリです。予定管理や当日のレジ業務、宣伝、売上分析まで、スマホひとつでサポートします。
まとめ
ちゃんと手元に利益を残し、キッチンカーを事業として継続していくためには、売上分析と日々のちょっとした改善の積み重ねが大切です。
キッチンカーの売上分析は、売上合計に加えて次のような数字や条件をひとつずつ記録していくことから始まります。
- 客数 — 売上の変化が客数と客単価のどちらから来ているかを確かめるため
- 出店場所 — 出店場所ごとの傾向をつかみ、その場所に出店を続けるかを判断するため
- 天気 — 天気の影響と、出店場所ごとの傾向を知るため
- 商品ごとの販売数 — 人気商品と、売れ方の変化に気づくため
混乱しがちな原価率や利益率の考え方は、こちらの記事で扱っています。
場所ごとの傾向、人気商品、雨の日の落ち込み。まずは自分が知りたいことから、記録と分析を始めてみてはいかがでしょうか。


